Commons:構造化データ/スローン助成金
ウィキメディア財団はコモンズにおけるデータ構造化の促進を目指し、2016年秋にアルフレッド・P・スローン財団の助成金に応募しました。2016年12月に総額301万5千アメリカドルの助成を承認したという知らせを受けました。受給期間は3年とされました[1]。助成対象の作業計画はCommons:構造化データ/概論にまとめたとおりです。
このページには助成金自体に関する基本的な解答と、プロジェクトの範囲を示します。ソフトウェア開発の詳細情報は、Commonsの構造化データポータルにおいて発表します。
どんなプロジェクトですか？
助成金は、ウィキデータを支える中枢のソフトウェアであるウィキベースと構造化データをどのようにコモンズに適用するか、ウィキデータ部門が実際に示した作業を基盤にするプロジェクトを援助します。この資金が加わったことで技術者とデザイナーの揃ったチームを組み、ウィキベースのソフトウェアをウィキメディア・コモンズに統合する作業、すなわち構造化メタデータをコモンズのメディアに適用できるようにし、なおかつ、これら新しい機能用のユーザーインターフェイス (UX) の開発、またコミュニティが作成したツールをWMFに統合する作業の促進ができます。
コモンズの構造化データはウィキメディア・コミュニティから長年にわたり要望のあったウィキメディア・コモンズ向けのさまざまな機能を解放し、財団の他のチームが次のような機能を使えるようにする必要があります。
- 画像のメタデータに基づき、メディアの検索と発見を改善し、非英語圏の利用者が使えるようにする。
- メディアファイルの画像説明とカテゴリの多言語化戦略
- メタデータの機械可読化の向上により、コンテンツの外部における再利用と埋め込みをしやすくし、その過程でよりわかりやすい著作権の声明と作者への帰属を盛りこみます。
- 既存のツールとユーティリティの更新により、ウィキメディアのボランティアによる貢献、管理を支え、構造化データを促進する
当財団が署名した助成金契約には、コモンズのコミュニティとの緊密な連絡担当の職員を貼り付け、ソフトウェアの機能が現状のコミュニティのワークフローのニーズに適合しているかどうか確認し、コモンズというプラットフォームを他の貢献者のコミュニティとの連携を活性化します。コミュニティの参加の紹介は下記のコミュニティ参加に関する節をご参照ください。
また当財団ではウィキメディアのコミュニティと定期的に提携する GLAM その他の組織と電子メディアの共有に時間をさいています。運動の提携モデルとして、GLAM-Wiki の発展からいくつかの事が示されました。a) 無料で公開された最高のメディアはすでに文化遺産や教育機関で共有されている。b) そのコンテンツをウィキメディア・コモンズに共有すると専門家がキュレーションした電子コンテンツをめぐってさらに広く連携ができ、一般への露出と影響力が拡大する。c) これらの提携関係のニーズがウィキメディアのコミュニティ、わけてもコモンズのツールとインフラの拡張を牽引する。
コモンズにおける構造化データの機能設計において、GLAM およびその他の提携コミュニティにおける最善手法と適切に互換性をもつには、私たちの運動は提携先の貢献と再利用の受け皿としてより優れたプラットフォームを提供できます。さらに私たちのボランティアのコミュニティのニーズを反映しつつ観衆を意識した設計は、提携関係の機会を増やすばかりか、教育ならびに遺産関連のメディアを収拾しようとするボランティア・コミュニティの幅広い努力を、私たちの運動外の大手の遺産ならびに教育メディアの供給者との間に、相互の情報交換をもたらします。
- プロジェクトに関する詳細情報はCommons:構造化データ/概要をご参照ください。
外部の助成金を求める理由は？
ウィキデータチームによる SDC 開発ロードマップは2014年から始まっています。今回の助成金を受け、ここ2、3年に進展したウィキデータ／ウィキベースソフトウェアの変更点を踏まえた作業の加速に取り組みます。ウィキデータチームはごく初期の構造化マルチメディアの試作版を実演して解説しています。
私たちのコンテンツに多様な再利用をもたらす助成金への応募をスローン財団から持ちかけられた時、WMF から先方に構造化コモンズに関する既存の作業を3ヵ年計画として加速する案を提示しました。助成金は WMF の2016-17年度予算に計上済みの作業項目に充当、プロジェクトの初期段階の予算を増やすことで、今後の数年間にわたりコモンズ発展を対象とした達成目標と機能をより広範に組みこむことができます。WMF の資金調達チームは通常は財団外から年次事業を求めません。しかしながら、今回の子の課題は、助成金給付元から働きかけを受けるというユニークな機会であり、既存のプロジェクトの加速に関心を持っていただいたわけです。
The Sloan Foundation is a long-time supporter of the Wikimedia Foundation, making very generous contributions in 2008, 2011, and 2014. The Sloan Foundation also helped fund the 2016 WikiCite event, which explored the application of structured data to Wikipedia’s citations. Based in New York, Sloan was founded in 1934 by Alfred P. Sloan Jr., who was then-President and CEO of General Motors. The foundation makes grants primarily for research and education in science, technology, economic performance and the quality of American life. Some staff and community members may know Doron Weber, Sloan’s Vice President of Programs, who has attended WMF meetings in the past, including Wikimania in 2015 and 2016.
プロジェクトの担当者は？
We are currently in the process of assembling a team to work on the project. Initially, the Wikimedia Foundation GLAM-Wiki strategist, Alex Stinson ( User:Astinson (WMF)), in consultation with WMF and Wikidata teams, will be leading community communications and relations as the team grows. Eventually that community communications and engagement role will be filled by a Community Liaison at the Wikimedia Foundation, hired as part of the grant.
In the application to the Sloan Foundation, we estimated as many as seven (one at WMDE, and six at WMF) new positions filled through the grant funding. These new staff, distributed across community engagement, development, design, and product and project management roles, will work alongside staff filling existing roles at both WMF and within WMDE’s Wikidata team, who will have a portion of their time paid for through the grant. We are still finalizing details around the composition of this staff but our highest priority position is a Program Manager who will help co-ordinate and facilitate the project across the teams and organizations.
We will also be using the first few months of the grant period to create a more precise set of milestones and goals within the estimated timeline provided for the grant. Additionally, as part of the grant, the Sloan Foundation selected a three-person external technical advisory group who will help review and advise on the technical plans for the project.
Why is GLAM-Wiki a major component of this project?
The Wikimedia movement’s wikis offer a major portal for educational and heritage material, with Wikipedia frequently acting as a first stop for the public when learning and researching. Increasingly heritage organizations are sharing their digital media through linked, open software platforms, which closely associate metadata with digital objects, and then feeding them into non-profit aggregators, like DPLA and Europeana, to help the public find these collections. GLAMs want the visibility and contextual knowledge that Wikipedia and Commons projects can bring to their collections, but often our platforms don’t meet their needs.
Even when GLAM organizations, STEM organizations, and other sharers of educational and heritage material do not have capacity to host or provide utilities for reuse on their own digital platforms, they are not consistently choosing Wikimedia Commons as a site to upload their content. Instead these organizations choose platforms like Flickr or commercial-vendor-controlled digital platforms. In part, this is because Commons does not provide the kinds of robust data structures and APIs needed for monitoring changes to the data, so that the institutions can benefit from our community’s improvements to that data.
Structured Commons expands Commons with features that are central to cultural heritage and media sharing software, but does so with the focus towards openness and collaboration which make our projects, like Wikidata, widely useful for GLAM communities. By consulting cultural heritage organizations, especially those who have been strong partners with us in the past or want to partner with us more, like Europeana and DPLA, we can make sure that Structured Commons becomes a better platform for encouraging partner collaboration in the future and grows our impact on public knowledge.
GLAM 諸機関とコモンズならびに電子化コンテンツの連携について、詳細はアウトリーチのポータルをご参照ください
コモンズならびに他のコミュニティはどのように関与できますか？
ウィキデータの開発に似て、構造化コモンズを実現するソフトウェアの機能は、コモンズのコミュニティとチームが密接に共同作業しなければ影響力を発揮できません。結局のところ、大規模で多言語、共同作業に取り組むコミュニティがコモンズのメディアを吟味するからこそ、私たちのプロジェクトにとって、また一般社会にとっても重要なプラットフォームとなります。今後、技術提携の指針にしたがってウィキデータチームと密接に連携し、コミュニティの貢献を成功に導いてきた関与と参加戦略を着実に盛りこみます。
We have designed the funding and timeline for this project to allow regular consultation and research with the Commons community. We want to make sure that the changes from this technical project empower and enable existing Commons community processes, encourage new community processes which increase sharing on Commons, and empower more volunteers from more languages and Wikimedia projects to contribute to Commons.
対話は以下のコミュニケーションの経路を通じて開始する予定です。
- プロジェクトチームが担当する機能変更はコミュニティとの緊密な連携により設計し実施。対話のお知らせは構造化データのトークページをウォッチリストに入れるようお勧めしています。
- コミュニティのニュースレターのリストを活用し、定期的な更新情報を発信。メタで購読してください
- 開発プロセスは Phabricator で可視化し、皆さんの参加を次の点でお待ちしています。
- 構造化コモンズチーム主催のワークボード（現状では遅れがち）：構造化マルチメディアデータのワークボード
- 構造化コモンズ実現の Phabricator タスクのルート：phab:T68108
プロジェクト要員が決定次第、今後、チームが更新と対話にどのように取り組むか、これらのチャンネルで情報更新します。もし他の対話戦略が必要と考えたときは、チャンネルを変更する可能性があります。チームがさまざまな開発マイルストーンを迎えるたび、またコミュニティの意見を受け付ける準備ができたかどうか、コモンズの井戸端ならびにコミュニティのメーリングリストで定期的に発信します。
助成金の申請条件は？
以下のものを提出しました：
取り扱いに注意を要する／未完成のため、これらの文書に含まれない情報：
- 詳細な予算、給与情報を含むため
- 構成計画ならびに問答集に添えて提出された、3年計画の詳細な人員配置の草案、チーム編成を改訂中であるため
注記
- ↑ 助成金受給の告知は多忙な年末年始を回避し、2017年1月9日まで引き延ばしています。